「今さら好きだとか、もう遅い!
もう、これ以上アイツを傷付けんなっ!」
俺が、もらうんだ。
鈴が捨てた郁馬、俺がもらうんだ。
譲ったりなんか、してやらない。
俺の方がずっと前から、郁馬を、好きなんだから。
「…わかるよ。翔太は郁くんの親友だから、郁くんに辛い思いしてほしくないんでしょ?でもね、もう傷つけないから。好きなの、郁くんが」
そんなの……
「俺だって……っ!!」
その瞬間、ドアが勢いよく開いた。
そのおかげで、俺は助かったのかもしれない。
危なかった。
もう少しで言ってしまうところだった。
《俺だって、郁馬が好きだ》って。

