なんか、二人、いい雰囲気だし。
「郁馬は鈴みてて。先生呼んでくる」
ふいっと郁馬から目を逸らして
出ていこうとすれば
ぐいっ、と力強く腕を引かれ
その勢いで、後ろのやつにすぽんともたれ掛かった。
「待て、翔太」
「……っ」
上を見上げると整った顔がそこにはあって、近すぎる距離に顔が熱くなる。
だめだ、こんな顔……
はやく、冷静を装わなきゃ…
「どうした?…郁馬」
「俺が呼びにいく。すーちゃんをお願い」
そのあと、気まずいから、と切なそうに笑う郁馬にそっかって思う。
どんなに相手が期待ある素振りしてても、いっかいフラれてるから……それでも、まだ好きだから……気まずいんだよね、郁馬?

