体育館に着くと なぜか妙なざわめきが広がっていた。 歓声では、決してない。 スコアを見てみれば、試合は半分くらいまで。 一人の女の子に大勢の人が囲んでいた。 「…な、に……?」 きっと誰かが怪我をしたか、もしくは倒れたかだろう。 囲まれた女の子が俺からは見えず、なにがあったのか全く分からない状態だった。 でも、俺の隣のやつが顔色かえて 走っていくのを見て気付いた。 シュッとソイツが動いた拍子に風が俺の横を切る。 「すーちゃん…っ!」 ……なにが吹っ切れた、だよ。 うそつき。