「なんで郁馬のせいなんだよ。離れて、弥生」
ふいっと弥生の顔も見ないで言うと呆気なく離れる腰に回った腕。
「ねえねえ、しょーた」
「なんだよ」
「冗談でもね？てか、嘘だとしてもさー、好きな人が自分を好きだーとか言ってきたら……どうする？」
急な質問に逸らした目を弥生に向ければ、にこりと笑われた。
こいつは、俺を試してるのか？それとも……
「なに、お前。好きな女の子いたの？
うわあー、どんな子？可愛い？」
笑顔を返すように
俺も笑顔で淡々と話を盛り上げる。
しかし、弥生は
俺に冷めた視線を送ってきたんだ。
「どーかなぁ♪ やっぱ好みは人それぞれだし？僕ねー…しょーただから言ったのに。いみ、わかってる？」
なにを言っているのか分からない。
てゆーか、俺と二人きりで話す弥生は、まじで怖い。
