今のは……そーいう意味でいいよな?
弥生ちゃん並みに顔が赤くなっていくのを感じながら、袖で顔を隠す。
そんなときにブーブーと携帯のバイブが震えて名前も見ないで電話に出た。
「もしもし」
そう言えば、「陽向か?」と低い声が聞こえる。
……父さん。
「どうしたの………うん、元気。…またその話?
俺、断ったよね?……ごめん、父さん…それだけはホントに無理なんだ…」
何度も同じ内容を話され、そのたびに断ってを繰り返す……そして、ようやく電話は父さんの方からブチッと切ってしまった。
はあー……また怒らせちゃった。
でも、仕方ないじゃん。
いくら父さんの命令でも、これだけは譲れない。
中学までそれを受け入れていたけれど、高2になってから、俺は変わった。
弥生ちゃんが俺の高校に入学したから。

