綺麗に放たれたボールは、吸い込まれるようにゴールに入った。
「先輩? 僕が女顔だからって、なめないでくださいね」
にこり。
笑った弥生ちゃんはそこらの女よりも可愛らしい。
……参ったな。
さっきのコースチェンジ防げなかったと思う、俺も。
そして2分後には試合終了の合図が鳴り
72対61で弥生率いる2Bが勝利を修めた。
一瞬どうなるかと思ったけれど、弥生ちゃんは強いな。
「弥生~っ!! お前、すげぇな!
俺めっちゃ感動した!」
濱田とか言うヤツが、ぎゅうぎゅうと弥生を抱き締める。
「ん……濱田ー、痛いよ」
「んもぉっ、弥生かわいいっ!さすが俺の嫁!」
………うん、試合に勝てたことは置いといて
弥生、そいつ誰?
「おい、濱田!
弥生が痛がってるだろ。つか、弥生さっき先輩に飛ばされたとこ平気か?」
「え? あぁー…ちょっと痛いけど平気」
次に現れた男は色黒で、体格のいいヤツ。
そいつが弥生ちゃん見て心配そうにするのを、弥生ちゃんは笑って誤魔化していた。

