明らかにムッとした顔で相手を睨む弥生ちゃん。
でも、反撃せずに立ち上がり
積極的にボールを貰いにいく。
弥生はガードだ。
チームの、動きも見えるし判断力も長けている。
「濱田っ」
そう叫んだ弥生ちゃん。それに反応して動く濱田。
それ見て3Dの奴らがそれに合った対応をする。
……あ、これ、フェイクだ。
そう思った瞬間、やっぱり弥生ちゃんは右にいる濱田にではなく、左にいたヤツにパスをした。
右に守りを固めていたせいで、左が、がら空きになればシュートが打ちやすい。
そいつは、軽々とランニングシュートを決めて確実な点をとった。
それ見て俺は、さすがだなって笑う。
チームのヤツと軽いハイタッチしている弥生ちゃん。
確かに瑛知みたいな攻めは弥生ちゃんには向いてないのかもしれないけれど、チームを、まとめて一人一人の良さを発揮させる弥生ちゃんのバスケも魅力的だと思う。

