「うん、見させてもらう。瑛知がんばれよ」
口角上げて、それだけ瑛知に伝えて
俺は応援席へ移動。
弥生ちゃん……あとで話、聞かせてもらうからね。じっくりと。
「これから2Bと3Dの試合を始めます。礼」
その合図で弥生ちゃんの試合は始まった。
弥生ちゃんのチームは弥生以外バスケ部がいない。
それでも、なかなかの動きをしている……ってことは、小中の経験者かな。
なまっているとはいえ、判断力もシュート率もなかなかだし。
…でも、3Dはなー…
あんまり、いいメンバーとは言えないかな。
バスケ部のヤツもいるけど、ガラが悪いのがいるし。
そんなこと思ってたら
コートの中で一番ちっこい弥生ちゃんが飛ばされた。
うわあー……今の、際どい。
しっかり見てないと、ファールにならない。
「いっ……たぁ」
「あ? そんなとこ突っ立ってるのが悪ぃんだろ。ひょろいくせにイキッてんなよ」
監督者には聞こえない会話。
俺には聞こえるけど。
アイツ誰だっけ……あとで、絞めるか。

