そう言って僕は今度は黒い笑みを
瑛知に向けた。
「―――…でも、陽向先輩と僕は何も関係ない。
好きにすれば?」
大体、近づかないでくださいってさ。
僕にじゃなくてヒナに言うべきだと思うんだよね。
自ら近づいた覚えないし。
すたすた、歩いていく。
もう瑛知とは話さないでおこ。色々やっかいだ。
でも、好きってのが本当なら……。
「弥生せんぱいって」
さらに会話を広げようとしてきた瑛知のことも
無視をきめこんだ。
しかし、
「弥生せんぱいって……陽向せんぱいにフラれたんすよね?」
その一言で、僕は立ち止まって振り返ってしまった。
いま……なんて……
瑛知は同じ中学じゃない。
高校からの知り合い。
僕は過去のこと誰にも話してない。
しょーたにだって詳しくは言ってないのだから。
「なんで、えーちがそれ知ってるの?」
……ヒナが喋ったの……?

