僕たちのところに近づいてきた瑛知は手を振りながら首を傾げた。
「あのー弥生せんぱい?話があるんすけど、いいっすか?」
「ここじゃだめなの?」
「できれば二人がいいなって……だめっすかね」
ためらいがちに瑛知が言う。
英語の宿題のことならヒナに聞いていたから、きっとバスケのことかもしれない。
1年では、いちばん周りが良く見えたバスケをしているしポジションも、僕と同じポイントガードだしね。
「いいよ。じゃあ、外出る?」
僕はにこりと、愛想良く笑い
荷物はそのまま置いて外を指差す。
はい、ありがとうございます。にこにこ僕に着いてくる後輩。
かわいー。でも、しょーたのが好みだね。
だって、えーち……
僕と同じ匂いがするもん。

