もし、そうだったら…
「そうかな…」
そうだったなら……嬉しい。とか、思ってる。
昔の、心の中に閉じ込めた自分が喜んでる。
また、望んでもいいんだ…、そう僕に言ってくる。
やっとのことで積み上げてきた今の自分を、いちばん傷つかずに済む楽な性格の自分を崩そうとしてくる。
もう……偽らなくていいんじゃない?
心の中の中学の制服を着た自分が問うてくる。
ねぇ、ほんとに?
ほんとに僕は、また想ってもいいの?
晴れた顔になってる僕にしょーたが
優しく笑みを浮かべた。
深く考えないで相手に飛び込むのも悪くない。
心の中で、そう教えてくれた気がしたんだ。
「弥生せんぱーいっ」
そんな僕たちに一人の影が近づいてきた。
八重歯みせて笑ってる。
バカそうで、でも可愛い。
「えーち…」

