「…でも、郁馬を泣かせた鈴は許せないから……郁馬を鈴に渡したくない」
「もしも、郁馬がすーちゃんを望んだら?」
「その時は……なってみないと分かんない」
それでも嫌だな、ってしょーたが言う姿に
胸を痛めて
「何かあったら僕がいる」
って励ました。
僕には支えてくれた人はいなかったけれど
いや、だからこそ
しょーたに僕と同じ思いをしてほしくはない。
すると、しょーたは
ありがとう、と嬉しそうに笑った。
きっと、もう
しょーたは気づいただろう。確信しただろう。
僕も、しょーたと“同じ”だって。
同じ人種だって。
ねぇ、しょーた?
しょーたが何を思い、何をするかなんて
僕はいちいち気に止めないけどね。
告白なんて、しちゃだめだよ。
告白なんてして、傷つくのは
しょーた自身だから。
必ず後悔するんだから。
だって………僕がそうだったのだから。

