そんな出来事 思い出して
顔が熱くなってくのを感じながらも僕は部活をやり遂げた。
部活が終わっても一部は練習をする。
とくに郁馬は
毎日といっていいほど。
僕は少しだけシュート打って
近くで郁馬を見ているしょーたに声をかける。
「弥生はよく俺のとこに来るね」
「だって、しょーたと話したいんだもん」
へらり。悪そびれもなく笑えば
しょーたは苦笑いをして、僕から目線を外した。
見る先には……郁馬がいる。
僕は郁馬から目を離し、違う人を見る。
その人はスリーポイントを打っていて
その人が見ている先を見て軽く笑う。
「ねぇ、しょーた。
すーちゃん、郁馬のこと好きなのかなぁ」
「…えっ?」
うわー分かりやすいくらい動揺してる。
「郁馬はすーちゃん好きそうだったけど、今はどうなのかな」
「どうって………郁馬は鈴にフラれてるから」
「でも。最近のすーちゃんは郁馬ばっか見てるよね。意識してんのかなー? しょーた、どうする?」
「……弥生が何を言いたいのか分かんないんだけど」
さっきまで郁馬かすーちゃん見ていたくせに、耐えきれなくなったのか僕を見るしょーた。
うーん……何が言いたいかっていうかね……
「焦っちゃだめってことだよ、しょーた。
なにがあっても」
「どういう意味?」
「早まって告白なんてするな、ってことかな」

