僕がむすっとしたまま離れていくと、くくっとヒナが笑うのが聞こえた。
「瑛知に、その彼女さんが俺だってバレたら
面白そうだよね」
とか、言って笑うヒナに
一睨み喰らわせて黙ったまま僕はバスケを始めにいった。
そんなことをヒナが言う理由は
この前の日曜日の出来事が原因だったりする。
あのあと、何度も何度も好きだとか言って
抱き締めあって
僕らはしばらく、そのままだった。
『…いいかげん離してよ』
恋人繋ぎのまま。僕にのし掛かったまま。
その状況は
心も体も息苦しくて、無駄にドキドキして
すごく甘ったるかった。
そんなのに耐えられなくて
顔が熱くって
僕はヒナにそう言った。
すると、ようやくヒナは
もそもそと動き出して僕に預けていた体重を
持ち上げた。
でも、まだ馬乗り状態で……

