「これ……キスマークですね。弥生せんぱい彼女いたんだ」



「……っ!?」



首んとこを、ちょこんと人差し指で触られて
ビクッと体が震えた。


「ずいぶんと情熱的な彼女っすね。こんな目立つ所にこんなの付けて……弥生せんぱいが押し倒されてるんすか？」



さっきのやり返しと言わんばかりに
瑛知は、鋭い目付きで僕を見据えて笑った。


僕はというと、なにも答えられず黙って瑛知の視線に耐える。


すると瑛知の左腕が肩に回り僕の体は引き寄せられ、瑛知のもう一方の手は僕のシャツの中に入ろうとする。




「こーんな風に彼女さんに迫られてるんすか？
弥生せんぱい、教えてくださいよ」



耳元で息を吹きかけられて声が出そうになるのをなんとか堪える。

彼女なんていないし、今までもいなかった。


ただ、心当たりはある。

でも、それを瑛知に説明できるかといえば
答えはＮＯだ。