そして、連れてこられた場所を見て
さらに帰りたいと願う。
「ひ、ひ……な…?」
「ここの方が話しやすいだろ?……泣いても連れてくから」
僕が半泣きなの見て、くすりと笑ったヒナに
むかついて睨み返す。
なんで、よりにもよって
ホテルに入るんだよ、この人は…!
慣れた感じで部屋を決めて僕の腕を引いていく。
これは危機だ。
そんなこと誰だって分かることだ。
それなのに、どうして……
「…ここだ。ほら、入るよ」
「……っ」
どうして僕は
こんなにもドキドキしてるんだよ……
部屋に入るときには
僕の頬はリンゴのように真っ赤になっていた。

