でも、ここで諦める僕じゃないんだから…!
ふがふが、って先輩の腕を掴んで
抵抗を示してみた。
…が。先輩の黒い笑みが恐ろしい。
「んーなになに、弥生ちゃん?…ふむふむ。早く二人になりたいって?うん、俺もだよー。じゃあ行こっか」
はぃ?
誰がそんなこと言った?
てか、思ってすらないですから。
「んーっ!」
しょーーーたぁぁぁあ!((叫泣
しかし、僕の声は届かず、しょーたは郁馬に連れて行かれてしまった。
ううっ……郁馬、覚えてろよ、ばーかっ。
すると、ぼそりとヒナが僕に囁いて
こちらも、また歩きだす。
もう怖い。
昔からヒナが怒るの怖いんだよね。
あの頃はずっと泣いてたし……
とにかく、ここは大人しくヒナに着いていこう、そう心に決めて、さっきの言葉にぞくりとしながら僕は頑張って歩いた。
《弥生。わかってるよな?
俺を怒らせるとどうなるか………》
弥生、そう呼ぶときのヒナは
ほんと、たちが悪い。

