やっと、ヒナのとこまで戻れた。
ヒナの座る青いベンチが見えて
ほっとする。
でも、ヒナの周り見て、一気に心が冷えた。
ヒナは変わらない。
好きなものが変わらないように。
だから、ヒナの気持ちも
あの頃と同じなんだ……僕に対しての気持ちも、すべて。
それでも、見た目は
やっぱり中学のままって訳にはいかないから。
あの頃より、顔が男前
あの頃より、身長がのびた
あの頃より、――――。
「ねー、陽向くん誰を待ってるの?」
「弥生ちゃん」
「え!? それって彼女? きっと陽向くんの彼女なら、すご~く可愛いんだろうなぁ。見てみたいな」

