「そいえば、結羅んちって今誰もいないの?」


あぁ、そんなこと言ったな。


「うん。2人とも出張なんだ」


「淋しい?」



“うん”



素直にそういえばいいのに、私は「全然」
と、強がって見せた。


「ウソつき」


え…?
今、何て?


「だーかーらっ!ウソでしょ?ホントは淋しいんでしょ?」


旭って、何でも分かっちゃうんだね。


「…うん。すっごい淋しい。高校生にもなって、情けないね…」


ギュッ…


ふと優しい香りに包まれる。