どーしようもない男の子と、その男の子を愛してしまったどーしようもない女の子


「結羅~!帰ろうぜっ」


「うん。帰ろ」


あれから旭の“束縛”が始まった。

私は全然そんな風に思ってないんだけどね?
朱里が言ってた。


『それ、束縛だよ?』


冷たく言い放った朱里を、私は否定した。
だって、好きな人が好きな人を束縛したりって、よくある話じゃない?





「どこ行こっか?」


「俺は、結羅と一緒ならどこでもいいぜ」


キャ――ッ!

もうそんなイケメン発言やめて!
かっこよすぎ!!


でも…


「なんで睨んでんの?」


「睨んでねぇよ?」


ウソだ…

絶対周りの人が私たちを見てるのって、
旭が睨みを利かしているからで…


「おいっ!何人の女見てんだよ?」


「みっ見てません!ホントに!」


気が付けば、なんか弱そうな人に突っかかってるし…


「旭?何してんの?」