「お~、みんな席つけよぉ、
出席番号順、机に番号があるだろ?
廊下のロッカーも、後ろの棚も全て
その番号で1年通すからな。」


「よしっ、じゃぁまず……」


男性教師は黒板に何か書き始めた。


『川北修介(かわきたしゅうすけ)』


「えぇ~、俺は書いた通り
川北修介、26歳、独身、現在フリー、
担当は数学だ、よろしく!」


見た目チャラそうな担任が、話すとその通りのチャラさを早速発揮。


クラスの女子は蒼と三浦さん以外はたぶん全員…『フリー』発言に反応し自意識過剰に赤くなり照れていた。


二人は話さえ聞いてるのか?ってくらい無関心だった。


蒼は今日はこれからどうしようかなぁなんて考えて俺にあれこれ聞いたりスマホいじったり。


ま、制服デートしよって俺が誘ったからなんだけどね。


三浦さんは窓の外を眠そうに見てるだけ。


ふっと気になり、俺は親友の『酒井亮一(さかいりょういち)』を見た。


教室のまん中辺りの席で、担任にかなり食い付きあれこれ聞いている…


「せんせ~、いつから彼女いないのぉ」
「せんせ~、遅刻って何分までならいい?」


などなど…


まぁ、亮一は底抜けに明るいムードメーカーで、バカやってる時の方が多い気がする。