ようやく唇を離した時には辺りは暗くて、公園に誰がいるのかは、直ぐには分からなかった。


上気した荒い呼吸を整えながら、見つめ合うとどちらからともなく、ニコッとして手を繋いで肩を寄せて…


「空くん…大好きなの…
傍に居るからね♪」


「フッ…あぁ、傍に居て…
俺も、蒼が大好きだ。
…あ、空くんじゃなくてさ、
空って、呼び捨てしてよ、なっ?」


「えっ、いいの?
めちゃ嬉しい!!私も呼びたかったんだぁ~」


頭をクリクリっと首の辺りに押し付けてくる。


「明日、楽しみだな、
誰と一緒かな…蒼と同じクラスに
なりてぇ~」


「わたしもぉ~!!」


「なっ!」「ねっ!」


俺のすげぇ勘違いから三浦さんに『終わりっ!』とまで言われた急展開を、なんとか避けることができた。


今回のことで分かったのは、蒼のことが何より大切で失いたくなくて、傍に居るためには素直にいろいろ話をすること、互いを分かったと思い込んじゃだめってことだ。


知り合って7ヶ月、付き合って1ヶ月…


蒼にすっかり溺れてる俺。


自分の勘違いで1ヶ月で破局しそうになったけど、今は幸せ。


ただ…明日からの高校生活がどうなるのか、期待より漠然とした不安が募る俺だった。