「けど?」


「私は空くんの動き?ってか、
やりようをそのまま返しただけ。
空くんの唇はとっても気持ちよくて、
想いも伝わってる気がして…だから、
してくれたように、私もした…」


「恥ずかしくないってわけじゃ
ないけど…それよりも私の気持ちを
キスに乗せて空くんに伝えたい、
私が感じる好きを、空くんにも
感じてほしい…ただ、ただその想いで
夢中でキス…してたんだよ?」


そう言ってくれた蒼の瞳に映る情けない顔の俺…上手い、気持ちいいと感じたのは、テクニックとかではなくて、蒼の気持ちがたっぷりだったから…


なのに俺はそれを違う風に感じ取ってしまったんだ。


これは経験からなんだ、と…。


すげぇ情けなくて、悔しくて…蒼に申し訳なくて頭をあげられなくなった。


「空くん…気持ち良かった?」


俯いたまま頷く。


「なら、今…私の想い…
また伝えても、いい?」


覗きこみながら優しい声と顔で聞いてくる。


「俺…ごめんな?」


「返事が違うよ?伝えていい?」


「あぁ…いいよ、頼む…伝えて…俺に…」


そう言った俺の頬を優しく手のひらで挟んで顔を見つめてくる。


そして…目の前が暗くなった瞬間、熱い想いが唇から伝わってきた。


何度も何度も、全然足りないって言ってる心のままに、ただ、唇をあわせ舌を絡ませていた。