☆空色の傘☆【完】



そして、ソファに座る俺の前に膝立ちすると、その小さな箱を俺に差し出す。


「空、お誕生日、おめでとう!!」


受け取りながら右手を蒼の頬に添える。


「ありがとうな…
今回は旅行のことも、マジで
嬉しかった…」


そう礼を言う俺をとにかくニコニコで見上げてくる。


「開けるな?」


「うんっ!」


やけに小さい箱だから、何となく想像がつく中味…


出てきたのは想像通り、でも、思ってたのとは全く違う、キラキラ光を反射させてるブルーの石のついたピアスが、何故か三つ…


「キレイだな…Thank Youな」


「つけていいか?」


「うん、もちろんだよ!
あっ、私がやってあげる♪」


細い指が俺の耳たぶに触れる…


くすぐったさと、それとは違うゾクゾクする感じが交互にくる。


じっとこらえてつけてもらう。


俺の両耳には2つずつピアスホールがあるが、2つ目は実は、蒼が事件にあったときに蒼との想いは2年目も続くんだ…と自分に言い聞かせるようにあけた。


そんな話はしていなかったし、普段はピアスの事を気にしてないようだったから、偶然だとしても、俺の想いを受け取ってくれたようで嬉しかった。


「なぁ…その、三つ目…どうするんだ?」