山は夏場でも意外に冷える。
寒くなりすぎないうちにホテルに戻った。
チェックインして部屋に案内されようやく落ち着いた。
部屋はツインタイプで、淡い黄緑を基調に上品な感じだった。
広すぎず、かといってビジネスホテルのような狭さではなく、俺たちが今泊まれるのはこれが限界かなってくらいだった。
夕飯はホテルの三つあるレストランから先に選ぶことになっていて、俺達はあえて和食にしてみた。
今年も料理勉強中の蒼が、和食なら、もし、おれがウマイと感じたら真似してくれるかも…なんて考えた。
あんまり、格式ばってるものではなく、創作料理のようで、とにかく美味かった。
その中で、小さなまぐろの漬け丼は、タレがホテル内で売ってるらしく、土産1号に決定するほど美味かった。
シーフードのスープには隠し味が味噌だったり、ほんの少し上級者っぽく感じられる、真似したいポイント満載の夕飯だった。
部屋に戻り、温泉ではないけど館内にある大浴場にそれぞれ向かった。
親が公認で旅行に行かせてくれるって、ある意味、かなり、信頼されてるからこそ、だ。
今夜は…どうしようかな…
去年はまだ、未経験で、俺はかなり焦ってて、それを蒼は分かってくれて、互いに想い合っての愛情確認だったなぁと思い返す。