「俺のためにとかさ、
あたしのせいでとかさ…
なんか余計なこと、言い出さなきゃ
いいなぁって…ほんの少しな…
考えた、ごめんっ!」


その考えは、陸也に言われた時にも、自分の親に話をしたときにも、チラリと浮かんだ。


だけど、その考えは、『空が全て』と全身で気持ちをくれてる蒼に対して、なんだか、妙な罪悪感というか、後ろめたさを感じた。


そして、今までのそんな蒼の傍にいたら、蒼がために、とか…せいで、とか、いうことはないと、気がつかなければいけなかったんだ。


「今は?」


蒼は探るような目で俺を見つめてくる。


「今は…蒼の全てを信じてる、
俺が、蒼の傍にずっと居たい。
離れられないよ…」


「うんっ!!
それ聞けて良かった…」


ようやく安心した笑みを浮かべてから目を閉じた。


「疲れたか?」


「ん~少しだけ…
ちょっとだけ…寝ていい?」


「あぁ、いいよ。
夕飯きたら起こしてやる。」


「公園は?
最近、ちゃんと練習してる?」


「人の心配はいいのっ!!
寝てろっ…」


無理矢理まぶたを押さえて布団を上からかぶせる。


「そらぁ、苦しいよぁ~」


こもった、そして笑いの含まれた声が聞こえる。


しばらく、いろいろ言ってきたが、静かになったので布団をめくると、穏やかに寝息をたてていた。