「き、み…
ねぇ、身長…いくつかな?
ん~少し小柄だけど、ヒールで
いけば…う~ん……」
「あ、たし?身長?」
蒼はいきなり肩をつかまれて、ジロジロと見られて、更には身長を聞かれて…控室にいたみんなが何を言い出したのかと驚いて星野さんを見た。
「どうだろ…神木君と
一緒に出るかい?
神木君が他の子と出るのを
悲しんでる風に感じたけど…
ペアで出るとこだけなら、
女の子モデルの出番を全て
奪うわけじゃないし、
ショーをよくしたいって俺の
思いからだ、どうだろう?」
「…私…155もないくらいで
モデルなんて柄じゃないけど……
それでもいいですか?」
蒼は正面から星野さんを見てしっかりとした口調で言った。
「蒼…いいのか?」
「うん、空が腕を組むのは
私だけ…その我が儘を通すためなら
何でも頑張りたいっ…
相手役のモデルさんにも…
ちゃんとお願いする…」
「なら…二人で言おう?
俺も、蒼がいいんだ…
星野さん、ありがとうございますっ!!」
俺は思いきり頭を下げた。
☆☆☆
そこからは早かった。
まずは相手役のモデルに話をしにいくと、「残念だけど…二人がお似合いだから許す」と言ってくれた。
そしてショーが始まる。

