☆空色の傘☆【完】



今日は嫌な1日になりそうで、憂うつだった。


☆☆☆


「おっはよ~!」


亮一と七瀬さんが揃って教室に入ってきた。


「…はよ…」


気のない返事をする。


「ありゃ?朝からテンション
低いなぁ~」


いつもハイテンションな亮一は、俺を不思議なものを見るような目で見てる。


「うるせっ…構うな…」


「なんだよ、言ってみろよ、
俺が解決してやるから。」


能天気に言ってくる亮一に返事をしようとして、チャイムがなり始業を知らせる。


「ありゃ、んじゃ、また後な」


亮一はそう言って席に着く。


「蒼、今日は休み時間は絶対
一緒だ、な?」


頷く蒼を見てから俺も席に着いた。


午前中の休み時間ごとに教室を覗いてきたり、三浦さんを間に俺を呼び出そうとする女子が数人いたが、いずれも相手にしないようにした。


昼休み、弁当を受け取り二人で食べようとしたが、蒼が飲み物を持ってきてないと言った。


いつもなら、俺一人でサッと買いに行くが、今日は一人になりたくないから、二人で弁当の蓋を戻して自販機に行った。


廊下で手を繋いで「何買う?」と話ながら歩いてると、後ろから「すみませんっ、神木空さんっ!!」と呼び止められた。