つられて俺も笑顔になり見つめあう…


「蒼…キス…していい?」


涙目で見つめられてなんだか我慢できなくなってきて、思わず聞いてしまった。


頬を染めながらそっとまぶたを閉じる蒼…


ゆっくりと閉じていくまぶたを見ながら、俺も近づき目を閉じる…


ちょうど、閉じきった時、蒼のやわらかな唇に俺の唇が触れた。


最初は軽く、触れるだけのキスを繰り返していた。


自然と片手を蒼の頭の後ろにまわし、もう片方は背中にまわし、俺の右側に蒼が居たから右足を膝を立ててベンチに乗せてしまい蒼を足で挟み込むようにして、体を寄せた。


軽かったキスは少しずつ、甘く深くなり、互いに開けた唇から舌を絡ませ始めた。


息づかいとキスの音が静かな午後の公園に響く。


どれくらいそうしてたかな…


荒い呼吸になり、それでももっと…と寂しさを感じながら離れる唇…


濡れる顎を指で拭ってやると、恥ずかしそうにしながらもこれ以上ないってくらいの笑顔の蒼。


俺の胸にトンッと頭をつけて息を整えてる。


「ボタン…ありがと。欲しかった…」


蒼はそう言ってくれて、しばらく二人して寄り添い過ごし、気がつくと夕陽がさしてきていて、ようやく公園を出て送っていき、エントランスで触れるだけのキスをして俺も家に帰った。