ここは北街の廃墟。


廃墟のわりに綺麗で、広い。


そんな廃墟の一室に2人の男がいた。


「なあ柚月…この間、変な噂聞いたんだよね。」


やけに整った顔の男が柚月 Yuzuki 
という男にそういった。


彼は特に興味を示すことなく、

「へぇ…」


とだけいった。


その返しを気にすることなく男はこう続けた。


「南街でね、俺らの総長になりすましてる奴がいるんだってさ。」


クスッっと笑いながらそういい。


目をスゥっと細めて「馬鹿な人がいるもんだねぇ。」と、呟いた。


すると…


「アイツに化けるなんて身の程知らず…
アイツに叶うやつなんて、この世にいないのに…。

僕、ソイツ始末してもいい?
これから潰すんでしょ、どうせ。
最近つまんなかったんだ、ねえいいでしょ?」


どうやら興味をもったらしい。
否…はじめからコレが目的だったのかもしれない。