明るい声でそう言うとみんなも


「ほんま?絶対してやー」


「約束だぞー部屋入ってやっぱなしはねぇよな?」


「ほんとに?もう一回櫻にぎゅうって出来るの!?

やったあ。」


双熾以外の3人は、はしゃぎながら廃墟の中に入って行った。


残されたあたしと双熾。
きっと気を使ってくれたんだろう。


あたしが黙っていると…


「櫻…」


あたしの名前を呟くように言って、抱きしめられた。
まるで壊れ物を扱うように、そっと。

紘とは違う、嬉しさといろいろな物が溢れて涙が込み上げてきた。


「双熾…」


名前を呼ぶだけで心が満たされる。
名前を呼ばれるだけで安心する。


「櫻…お前が言いたくないならまだ聞かねえ。
櫻が言いたくなったら言え、俺はまってるから。」


そういって、さらに力強く抱きしめられた。