「なんであたしが姉さまたちに会いたいからって取り次がなきゃならないわけ?

あたしは姉さま達の下僕じゃないっての。」



顔にかかった背中まであるストレートの黒髪を耳にかけながら、呟いた。



「お嬢様って言い返せないから面倒くさい」



信号が青になり再び走りだす。


あたしの言葉は誰にも届くことなく消えていった。