「岡崎先輩、どうしたんですか?」

「ちゃんと頑張ってるかなぁと思って」

いつの間にか、ステージの壁に寄りかかって立ってる岡崎先輩。



「…もう来ないと思ってました」

「いや、ステージには立たないけど、お前だけじゃまだまだだしな」

いきなりの登場に驚くあたしに、岡崎先輩はいつもの意地悪な笑顔で近づいてくる。



「な、何ですか?」

「俺がみっちりしごいてやる」

「えっ…」

これじゃ部長になった意味ないじゃん。

ちなみに、彼女になったから優しくしてもらえるとか…



「しっかりやれよ」

あたしの頭をバシッと叩く先輩。

やっぱり、そんなことないらしい。



岡崎先輩とあたしの演劇生活は、これからも今までどおり続いていく…



岡崎先輩、ちゃんと見ててくださいね。



演劇部部長、瀬木夏海

来年は地区大会突破目指して頑張ります。





《完》