「はい…」

岡崎先輩の声には、逆らえない響きがある。

あたしはスカートのすそを押さえて、1ミリだけ距離をつめる。

先輩は何か言いたそうな目で、あたしの様子を観察していた。



「俺のこと、そんなに信用できない?」

先輩はジュースを一口飲むと、ため息まじりに言った。



「…そんなことないです!」

慌てて立ち上がると、おもいっきり距離をつめて先輩の隣に座るあたし。

もともとそんなに大きなベンチじゃない。

先輩がジュースを飲もうと動くたびに、肩が触れそうになる。



「じゃあ、試してみよっか?」

先輩は、ベンチに鞄を置いて立ち上がった。