ひきだしから、男子!


 「あんた、何?」

 じっとりと、変な汗

 をかきながら彼女は

 質問する。ペン立て

 からカッターとハサ

 ミを引き抜いて構え

 る。畑山の幻覚らし

 きものは首をかしげ

 た。

 「近寄らないで。刺

 しますよ」

 緊張した指でチキチ

 キと刃を出す。

 「畑山智佐だよ、お

 なじクラスの。

 ……それしまってく

 んない?」

 「あんたこそ、それ

 しまって」