だけど、その手に握 られているのは、歯 ブラシではなく彼女 のいたいけな下着で ある。牡丹は、悲鳴 をあげてむしりとっ た。 のほほんとした面を 平手打ちする。彼は 左のほっぺを赤く腫 らして、ひきだしか ら転がり落ちた。 「ごめんね、ちょっ と寝ちゃってた」 頭をかいて、ははは と笑う。 「寝ちゃってたって ……なんであたしの ひきだしの、しかも 下着の……」