ひきだしから、男子!


 戸惑う牡丹の右耳に

 透が唇を寄せてき

 た。

 「牡丹、畑山君が好

 きだったんだね」

 みかこも左耳に囁い

 た。

 「あたし達

   応援するよ」

 牡丹は噴火しそうな

 くらい顔を真っ赤に

 して叫んだ。

 「違うから!」

 水を打ったように教

 室が静まり返る。

 給食当番も準備する

 のをやめて、何事か

 と牡丹達に注目して

 いる。

 「なんでも

   ないです……」

 消え入りそうな声で

 言い、へこへこ頭を

 さげると、ざわめき

 が再開した。