「ぎゃあっ!」 黒い瞳と目があっ た。叩きつけるよう にひきだしをしめ る。 今日はどうした んだろう。目か頭の 調子が悪いみたい。 丸い取っ手に指を 絡めたまま眉間にし わを刻む。窓辺に一 年中吊るしてある風 鈴が、ちりんと鳴っ た。 細く開いた窓から夜 風が入ってくる。