ひきだしから、男子!


 シャッターをおろし

 忘れたような店のひ

 とつに、畑山は吸い

 こまれていった。

 自称畑山が牡丹の手

 を握る。

 「何?」

 「あの店人いないか

 ら、そのまんま入っ

 てったら目立つんだ

 よ。手繋ぐと、双葉

 のことも他人に見え

 なくできるから」

 彼は悪戯っぽく

 笑う。

 「そうなんだ?」

 彼女は半信半疑で店

 に近づいていき、曇

 ったガラスの戸を押

 した。

 「いらっしゃい

      ませ」