シャッターをおろし 忘れたような店のひ とつに、畑山は吸い こまれていった。 自称畑山が牡丹の手 を握る。 「何?」 「あの店人いないか ら、そのまんま入っ てったら目立つんだ よ。手繋ぐと、双葉 のことも他人に見え なくできるから」 彼は悪戯っぽく 笑う。 「そうなんだ?」 彼女は半信半疑で店 に近づいていき、曇 ったガラスの戸を押 した。 「いらっしゃい ませ」