ひきだしから、男子!


 「分身っつうか、

 智佐の本音。本性」

 「生き霊みたいな

  もの?」

 「ちがう。ちょっと

 無理がきくだけで、

 ほぼ普通の人間」

 「え、じゃあ刺した

 りしたら死ぬの」

 彼は腰に手をあて、

 威張るように胸をそ

 らした。

 まだこれと畑山に関

 連があると認めたわ

 けではないし、これ

 が言っていることが

 真実かは不明だが、

 刺さなくて良かった

 と、牡丹は思った。

  さらさらと降って

 くる日射しに目を細

 める。湿気を含んだ

 ぬるい空気が、汗ば

 んだ肌にまとわりつ

 く。