「出てってよ」 「おまえから、あん ま離れらんないんだ よ」 駄々っ子のように首 をふる。 なるほど、あたし の幻覚だもんね。 「どうしても、ここ で寝るの」 尋ねると、彼は元 気よくうなずいた。 まあ、明日になっ たら、消えてるだろ う。 牡丹は彼を押入れ につっこんだ。押入 れの戸は木製で、鍵 がかけられるように なっている。 つまみをひねると ガチャリと音がして 引戸はスライドしな くなった。