「あと少しで十二時 なんだけど」 「それで?」 「ここで寝るつも り?」 牡丹はさっさと消え ろとドアを開いた が、彼はにこにこし て首肯した。 「どこで 寝るつもり」 「双葉に 添い寝する」 彼女は机からハサミ を取った。 「冗談冗談。床に寝 るよ」 畑山の幻は、ずずい と退いて守りの体勢 をとった。甲羅のな い亀のようである。