ひきだしから、男子!


  先生が教室を去る

 と、畑山がイライラ

 を抑制した笑顔で牡

 丹のほうにやってき

 た。

 細胞レベルで緊張す

 る。関節ががっちが

 ちだ。申し訳ない気

 持ちでいっぱいだ。

 「双葉さん、
   一緒に帰ろう」

 透が驚いたように目

 を見開き、なぜか悔

 しそうな顔をしたの

 が、視界に入った。

 「よかったじゃん」

 みかこが耳打ちして

 きた。

 「やったね」

 透が、牡丹の背を乱

 暴に叩く。

 「頑張って」

 透の瞳は、潤んでい

 る。みかこが透の肩

 を抱き、牡丹に早く

 行けと手をふった。

 一緒に帰ろうと誘わ

 れただけだ。

 しかも恐らく、二人

 が想像しているよう

 な理由でじゃない。