ものさしが虚空を切
る。ぶんぶん鳴って
いる。牡丹は脅しに
屈した。
「徹夜上等」
教科書に食いつか
んばかりの勢いで、
何やら呟いている畑
山の額に巻かれた鉢
巻には、雄々しい文
字と日の丸がかかれ
ている。
「あんなハチマキど
こで買ったの」
「秋葉」
「なんの
ために……?」
「モチベーション
上げるため」
牡丹達はベッドに腰
かけて、ひたすら勉
強している畑山を眺
めている。
夜がふけるにつれ、
外からの音が減って
いき、空気が澄んで
いくように感じられ
た。
時計の針が時間を刻
む音ばかりがはっき
りと聞こえだし、猛
烈な眠気に
襲われる。



