「どう、
はかどってる?」
にこにこした母親が
顔をだす。
さしいれのエクレア
を机に置いて、ため
息をつく。
「こんなに勉強して
るのに、なんで成績
あがんないかねぇ」
「う……」
「あんた
しょっちゅう勉強し
てるのに」
彼女は哀れむように
牡丹を見る。
「畑山さんの息子さ
んはね、まったくお
べんきょしないんだ
ってよ。なのにいつ
も成績いいんだよね
ぇ、あそこは」
目尻にしわを刻み気
の毒そうに牡丹の頭
を撫でると、彼女は
部屋を出ていった。
「自分がやってない
こと人に押しつけな
いでよ」
定規をムチみたいに
しならせている彼を
にらむ。



