「わかりません」 「あん? さっき教えたろ」 「数字がわたしに意 地悪をするのです」 彼は 眼光を鋭くして、 ティッシュ箱の角を 牡丹のつむじにヒッ トさせた。 小さな雷が落ちたよ うな痛みに、涙をも よおす。 「数学で一日かかっ ててどうすんだよ! しかも、できてない し」 「あんたに関係ない でしょ!」 「なくてもあるんだ よ! 解けっ」