「これ」 新品の参考書を彼の 机に置く。 青くて分厚い、牡丹 なら絶対買わないよ うなやつだ。 わざわざ畑山のため だけに、こづかいの 半分を使って購入し てやったのである。 「これ欲しかったん だよね、俺。応用問 題の解説がわかりや すいって評判でさ」 Bが腕を組んでうな ずく。 「何これ」 畑山は困ったように 笑った。 「参考書」 「で?」 「さしあげます」 「いや、俺……勉強 しないから、使わな いよこういうの。 柏田いる?」