「あれ、 双葉さーん」 のんびりした声で 呼ばれた。 塾のほうから誰か走 ってくる。 「双葉さんだよね、 双葉さんも、 同じ塾?」 「岸本君……?」 牡丹は眉間にしわを 寄せた。 「なんであたしの名 前……?」 彼はほんのりと頬を 染め、 ほのぼの笑った。 「みかこちゃんから 聞いたんだ」 みかこ、やっぱ岸本 君と付きあってたん だ。 牡丹はむず痒いよう な感じがして、ぽり ぽりと頬をかいた。