ひきだしから、男子!


 畑山が通報したらし

 い。牡丹達はそそく

 さと逃げた。

 自宅で張るのはもう

 駄目だ。

 しかし諦めるわけに

 はいかない。


  今度は塾帰りを狙

 うことにした。

 電柱の影から飛び出

 て、彼の前に立つ。

 「あの……

 人妻モノ」

 紙袋を突きだす。

 畑山は変な声を発し

 て、硬直した。

 彼の肩越しに学習塾

 の明かりが見える。

 塾生が自転車置き場

 にたむろっている。

 「さあ受けとるんだ

 受けとれ。

 好きだろ」

 Bは、水晶玉に手を

 かざす占い師みたい

 に、指をうごめかせ

 る。