ひきだしから、男子!


 「受けとれ、俺。読

 みたかったろ!」

 「ごめん、

 俺忙しいから」

 つるりとした笑顔で

 夕影を照り返し、畑

 山は自宅の扉を固く

 閉ざした。

 呼び鈴を押してみて

 も、無反応。

 なんとか勇気をふり

 しぼっての行動だっ

 たが、わかっていた

 こととはいえ、ハッ

 キリした拒絶の意思

 をつきつけられると

 腰がひけてくる。

 諦めて帰ろうとした

 牡丹はBに腕をつか

 まれた。

 「あきらめんな」

 彼は、幹に穴をあけ

 るキツツキのよう

 に、音符マークのつ

 いたボタンを連打す

 る。